ずいぶん前のことだけど、とある絵の展覧会で見たシロクマの絵にやけに惹きつけられて。
絵が特別上手いからとか、技術的に高いからとか、すごく書き込んでいるというわけではなく、とてもシンプルなもので。
たしかブルーのほぼ単色の背景に、キャンバスの4分の1ぐらいの大きさのしろくまの顔がどーんとクレヨンで描かれいている絵だった。
いろんな絵画展や美術展で絵を見てきたけど、こんな気持ちになったことはたぶんなかった。
なぜそんなに心が惹きつけられたんだろう?
その気持ちの正体が知りたくて、作者の方にその絵の意図など、話を聞いてみたりもした。
その時の答えを一言一句覚えてはいないけど、たしか「好きだから描いた」みたいなことをあっけらかーんと答えた感じで、私には「なぜ、山に登るのか。 そこに山があるからだ」的な、単純に聞こえるけどとても奥深いもののように感じた。
うまく描こうとか、誰かに認められようとかではなく、ただただ好きなものを好きなように描いた。
その絵には、描くことの自由と楽しさ、シンプルながら力強いパワーが込められていて、私の心はそれに共鳴したのかなと感じた。
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